虐殺器官

この「虐殺器官」は、ハヤカワ文庫出版の伊藤計劃さんの作品です。

あらすじは、9・II以降の、”テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進国は、徹底的な管理体制を作り、テロを一掃した一方で、後進国では内戦や大規模虐殺が急激に増加。爆発的に増加した内戦、大規模虐殺には謎の男、ジョン・ポールがいると囁かれる。主人公、米軍大尉クラヴィス・シェパードは、ジョン・ポールを追ってチェコに向かう・・・。ジョン・ポールの目的はなにか?大量殺戮を起こす、”虐殺の器官”とは・・・主人公は、真実を知ることができるのか・・・

という近未来SFというより、現代の問題を凝縮させた話だと思います。

この本との出会いは、高校生2年の秋に出会いました。その時は、純文学とか歴史、ミステリーなどに興味があって読んでいたのですが、そのジャンルに少し飽きてしまったので、新たなジャンル探そうとSFエリアに入っていきました。すると、平積みのところに劇場アニメ決定!と書かれた本があり、CVが中村さんと櫻井さんで、読んでみようかなと、手に取ったのが始まりです。

読んでみると自分の好みにドンピシャの話でした。作者が、言語に対して深い知識があり、”言葉”がどのような影響を与えるのかを考えて作られており、それを文の節々に感じることができました。

一番好きなのは、ジョン・ポールとクラヴィス・シェパードとが初めて会って話した時の、ジョン・ポールの言葉。「虐殺には、文法がある」

言葉によって、人は幸せを感じたり、痛みを和らげたり、攻撃的になる。それは、皆さん知っていると思う。言葉にするだけで、気持ちは前向きになったり、後ろ向きになったことはないだろうか。言葉をもっと巧みに使うことによって、人をコントロール、人の考えに影響を与える。それを、ジョン・ポールは言葉をどう使うか、そこに規定があって、その文法を使えば人々を虐殺するように仕向けることができる言っているのである。

言葉の力が人々に影響を与えるのは、知っていたのですが、それを”虐殺”に使っているという設定がとても好きです。(ヒトラーからヒントを得たのかな?と私は思って読みました。)

本が読むのが苦手であれば、劇場アニメ化しているので、アニメを見ることをお勧めします。productionI.Gで、映像も綺麗ですし、少し内容を端折っている所もありますが、内容も原作のままので、おすすめです!

”言葉”ってところに興味がある方は、原作の本をお勧めします!

この話が良かったなら、そのほかの作品「屍者の帝国」「ハーモニー」も是非見てください(こちらの作品も劇場アニメ化してます)

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