それをお金で買いますか 市場主義の限界

マイケル・サンデルさんの「それをお金で買いますか 市場主義の限界」を読了しました。

この本は、大学時代にお世話になった教授からおすすめされた一冊です。

社会人になり、なかなか本を読む時間が作れなかったのですが気になっていた本なので土日を利用して読み進めていきました。

自分自身が様々なモノ・サービスがお金で買えるような世の中に少し違和感・不快感などが感じた理由がこの本を読んで少し理解できたと思います。

本書を読んで、市場主義の考え方が自分たちの生活に溶け込み、日々浸透してきていると感じました。市場の腐敗が自分たちの生活に浸透し、それに気づかず生活してきたのだと分かりました。

それに気づいたのは、「行列と市場」の章での話です。アトラクションパークのエクスプレスパスみたいなお金を払い、行列に並ばないことが今まで当たり前だと思っていました。そのほかのサービスでも「お金を払えば、有効に時間が使える!」という宣伝が多くあり、「時間ってお金でも買えるっぽいし、有効活用できるならいいじゃん!」という意識せずに使用していました。

けれど、ダフ行為やアトラクションパーク以外の具体例から、時間をお金が買う行為は、公平さや時間をお金で買った行為により、それによって参加したサービスなどが貶められることを知りました。

時間に限らず、血液や命名権、野球のサインボールまでお金で売買などが現在できるようになっている。(血液売買はアメリカの一部で行われています)しかし、以上のモノ・サービスなどを売買することにより、利他精神や純粋な行為・思いが貶められることを知りました。

実際、血液をお金で売れる場合と売らない場合では、売れる場合より売らない場合の方が血液提供をしてくれる人が多くいました。(実際に実験を行われていました)

市場主義が悪いというわけではありませんが、自分たちの生活に市場主義や商業主義などが侵食している現実に、今まで社会に感じていた違和感や不快感が何だったのか少し理解することが出来ました。また、何が市場取引が出来てできないのかを考えて生きていく事が必要だと思いました。

まだまだ理解しきれていない部分もあるので再度読み直していきたいと思います。

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