仮面の告白

この小説は、新潮文庫出版、三島由紀夫さんの作品です。

三島由紀夫は、日本で最も美しい文章を書く人として大変有名ですね。名前だけ知っている人も多いかと思います。私も名前は知っていたのですが、硬派な文体で、読むのがかなり労力いるだろうとちょっと距離を置いていたのですが、高校2年生ぐらいの時、一念発起して三島由紀夫の作品を借りました。その本が「仮面の告白」です。有名な「金閣寺」は、文章量が多かったので、諦めました。「仮面の告白」は、そこまで本の厚みがなかったので読んでみようと思いました。

あらすじは、虚弱児で祖母に溺愛されて育った「私」は、幼いころから汚穢屋や、怪物と戦う勇まし王子のイメージを愛好していた。中学生の時、「私」は、グイド・レーニの『聖セバスチャンの殉教』の絵に欲情してしまう。また、クラスのボス的存在であり、荒々しい魅力を放つ男の級友・近江に仄かな恋心を抱く。そこで「私」は、自分の性的嗜好が同性であることを自覚する。若い男の肉体にしか欲情できないが、いつかは、女の人も愛せるようになると考える。大学生になり、「私」は友人である草野の妹・園子であり、本の貸し借りなどを経て、親密になっていく。「私」も仲良くなっていくことは、満更でもなかった。

やがて、園子から愛の紅白をされ、恋人関係になる。しかし、初めて園子とキスをしても「私」は何も感動しなかった。やがて、園子の家から結婚を打診されると拒絶してしまう。園子と「私」の恋は、どのような結末になるのか…

この小説は、自伝小説と聞いていたので三島由紀夫を知るのにももってこいかな、と軽い気持ちで読み始めました。読むと、すごくしんどかったです。内容がしんどいというより、表現方法がすごくしんどかったです。いい意味なんですけど、しんどいっていうのは。今まで読んでた文章とは、次元が違くって、一つのことに対してここまで表現できるのか!と、また文字の意味とか例えに出してくるものが、知らないものばっかりで辞書を片手に読みました。頭を疲れさせるようで、良い読書ができたなと思いました。

内容は、面白かったです。三島由紀夫世界が全開!!って感じで、私は、少しクスクス笑いながら読みました。一番面白いって感じたのは、グイド・レーニの『聖セバスチャンの殉教』の絵に欲情してしまうシーンです。どう欲情したのかという表現が、何行にもわたってしるされており、「ここまで書くのか!!ってか、美青年の瀕死の姿にときめくなんて、なかなか個性的!」と思って、笑ってしまいました。いや、侮辱ではないですよ。ここまで、その美しさを表現できるなんてすごいと思いますし、そこまで表現できる天才でもこういう所に惹かれるのかと、人間らしさを感じていいなと思いました。

面白い以外にも、同性愛についてこの時代に書くことは、なかなかできないことだと思いますし、同性愛の葛藤が上手く表現されています。異性に対する思いが、周りと違い深く傷つくというのも、三島由紀夫自身が感じたことかもしれないと思うと、自信たっぷりな三島由紀夫でも傷つくことがあるのだなと、リアルに感じました。

硬派な文体で、読みにくいと感じると思いますが是非一度挑戦してはいかがでしょうか?

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