この小説は、講談社文庫出版、佐藤多佳子さんの作品です。
主人公、神谷新二は高校に進学しどの部活に入るか迷っていた。一年生の初めのスポーツテストで50mを走ったとき、疾走感を得、ただ早く走りたい気持ちになった。そして、天才的スプリンター、幼馴染の一ノ瀬連と共に陸上競技部に入部。連のようなすごい走りを俺も、と胸に抱いて、部活の仲間と共にインターハイを目指す物語。
自分が高校まで陸上競技をしていたので、より楽しんで読めました。こんな練習したなぁとか、先生とかにどう走れとか、クッソきつい練習したなぁと、思いをはせて読みました。中学時代は、筋トレがすげぇしんどかったのと、なぜか500走らされたことがありました。(いまだに、なんで男子と一緒にしかも全中出場の2名とうちとで、走ったのか訳がわからん。一応ハンデあったのだが、これをさせた理由がわからん)筋トレは、数キロの鉄の棒を持って、グラウンドの端まで、中腰で歩いたり、また開いて回転しながら進んで行ったり、十何種類かの筋トレをしたのが印象強いです。冬場は、それを2セットですし、夏にすると汗が止まらなくて、Tシャツ絞ると汗が出るほどでした。
高校では、セットものと最後に410を付けること。あれはほんまにしんどかった。鬼畜やぁと思いながら、走ってましたね。一応、マイルの最終走者になる可能性もありましたし。それでも、410はいやでした。それなら、300×の方がまし、と当時は思っていました。あと、ベケレ。2年の時とか人数少なくて走る回数多くて、やばかった。マネさんも走らせて、冬場のあの練習はすごく楽しかったです。しんどかったけど、みんなと走っているのがすごく楽しかったですね。もう一回、したいなぁと読んでいて思いました。
など、陸上競技をしていた人にとっては、走りたくてうずうずできるような内容になっています!
逆に、陸上競技をしたことない人は、陸上競技の魅力がわかる小説だと思います。主人公の新二君は、陸上初心者で、ルールや名称などわかりやすく書かれていますし、どう練習しているかが書かれているので、頭の中でうまく想像しやすくなっていると思います。巻末には、プラスαで詳しく用語の説明をされているので、陸上競技をしていない人でも易しく読みやすいと思います。
また、部員の個性が魅力的で読んでいて引き込まれます!一番好きな人は、浦木さんです。占いなどを信じており、常に風水を気にしている人です。その人が合宿中言った寝言が面白くて好きです。その寝言が「南南東の風、追い風15m、ハードルが3台倒れました、先生、無理です、もう走れませんっ」(一瞬の風になれ イチニツイテ1p148 pp.4,5)まず、追い風15mはありえないというか、風が強すぎてハードルが何回も倒れるなら走らすことはしないと思いました。15mあたりから風に向かって歩けず、転倒する人も出てくるほどなんで、その中で走ろうなんてやべぇですし、何より夢の中でそのような状況に陥っているのが面白いなぁと思いました。
陸上競技以外にも、恋愛や友情、先輩好敵手など様々な関係性が読めて、しかも甘酸っぱいというか、あぁ青春してるなぁ!って思えるところも多く、楽しんで読めると思います。ぜひぜひ、読んでみては?
